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CUT


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『セイジ-陸の魚』が絶賛公開中で、ちょっとリアルタイムじゃない気もしますけど…順次ロードショーってことで、ここ群馬でも少し遅れての(2/18~)公開になりました。そしてなんと私、西島さんを好きになって初めての大きなスクリーン鑑賞だったのです。なので西島さんの”演技の新境地”と言われる『CUT』が、初の映画館鑑賞となったことが嬉しかったです。

初めて見る激しい『CUT』の西島さん…今までの演技を忘れてしまうほど、本当に西島さんが演じてるの?と思うほど違う人のように見えました。「空間を見つめて観客に何かを訴えかけるような余白を感じさせる」西島さんの特有の演技方(?)は、この映画ではいっさい今までの演技法を封印しているんですね。どこで読んだか忘れちゃったけど、確かナデリ監督に「今までの演技を忘れろ!」って言われたんでしたっけ?その要求を全て受け止めて、新しいスタイルを作ってしまった西島さんはほんとに凄いなって思う。

<STORY>

秀二は兄から金を借りて映画を撮っていたけれど、どの作品も商業映画として映画館で上映することさえできずにいた。そのフラストレーションを晴らすかのように現在の映画界の状況を嘆いている秀二は、日々映画のために街頭演説をしながら、映画の素晴らしさを人々に知ってもらうため自分の住むビルの屋上で上映会をしていた。そんなある日、秀二は兄が借金トラブルで死んだという知らせを受ける。兄はヤクザの世界で働いていて、そこから秀二のために借金をしていたのだった。兄の残した借金返済のため、兄の亡くなったトイレで殴られ屋をすることで返済することになる…。

+++

西島さん演じる秀二が恐ろしいほど映画にとり憑かれている映画監督なんですが、ほんとに「秀二=西島=ナデリ監督」という3大映画狂が重なった役でしたね。

冒頭から街の中を拡声器を持って何かに追われて走る秀二…。「映画は真に娯楽であり、芸術である!」とエンターテイメント化した映画を嘆き悲しむ秀二の心が行動によって表され、初っ端からの激しい西島さんに今までとは全然比較のできない映画だと、確信するわけですね。そして、ビルの屋上で映画上映会の挨拶をする秀二は(西島さん?と思えるほど)やんわりとした口調で観客の心を掴むのだけど、投影しながら映画を楽しむ観客たちを見つめる笑顔は気持ち悪いほど(えっ?)印象的。かなり、イッちゃってるのではないか?という…やはり「映画に狂ってる」そんな印象です。


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そんなときに、兄が死んだという知らせを受けて、兄が働いてた組に呼ばれて「ルールなんでね兄貴の作った借金をお前が返せ」だなんて言われて、当然お金を作れるはずもなく。で、なぜに秀二が”殴られ屋”になったのか?そこが知りたいとこだったのだけど、なるほど!と思いました。でんでんさんの挑発に乗った秀二が拳銃を口にくわえて引き金を弾く件…。すべてが自分にパンチを向けることで何かが変わると思ったんでしょうね。

そして秀二は「殴られ屋」になるのだけど、秀二に対しって無言のサポートをする人が現れます。その人たちが、事務所内で働く陽子(常磐貴子)であり、組員のヒロシ(笹野高史)であり、ヤクザのボスである正木(菅田俊)であるんだけど、ヤクザ組織の立場上ヤクザ以外の人間に関心を持つことは許されず、助けてあげられないけれど見守ることでしか助けられないもどかしさとか、この三者三様の関係が良かったです。


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ヤクザのボスを演じた菅田さん。ちょうど『ニンゲン合格』を観たばかりだったので菅田俊さんの顔が出て、豊のお父さんだ!とビックリしました。そう言えば『休暇』の冴えない刑務官も菅田さんだったんですね。そして、菅田さんの背の高さについ…西島さん178cmだけど、菅田さん187cm…だって調べてしまいました^^

その菅田さんのボスっぷりがほんとにウルっと来ちゃうんですよね。はじめは、「ヤクザの世界の掟だからルールに従ってもらわなきゃ困る」って言って、弟である秀二に借金の返済をしろという。けれど、真っ直ぐな秀二の思いにいつしか惹かれて、揺れ動くようになるんです。我が身の立場もありつつ、トイレで秀二に「俺の金を貸すから早く出てってくれ…上の奴らは信じられない奴らだぞ!」って…もうお父さんったら…(←映画違いますよ)。だけど、「俺は金のために殴られてるワケじゃない!だったら銀行強盗してる!」っていう秀二のセリフもグッときて、これが男の世界なんだなって強く思ったり。


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事務所内で働く陽子(常磐貴子)と秀二の関係。特に常磐貴子の全身で見守るオーラがすっごく感じられるのが素晴らしい。いつの日に『いいとも!』で「映画のために髪の毛切りました^^」って言ってたけど、この映画のことだったんですねぇ。殴られ疲れ果てた秀二を包み込むように支え、ちょっと想いを馳せるようにそっと手を触れようとするシーンはひと時の安らぎシーンでしたね。


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笹野さんは、「小津監督の作品に出てくるお父さんに似てる」でしたっけ?しかも、西島さんお得意の指差し演技(笑)だったので、失礼ながらお父さんが分からなかったけれど、指差しそのもので笑ってしまいました。この会話の後から、何も行動を起こさなかったヒロシが組の下っ端ヤツらをまとめて行くようになっていくので、ヒロシの変わりようも必見です。

さて、殴られ屋となり秀二が兄のため借金を返すことになるワケなんだけど、兄に対してという理由はもちろんあるけれど、今の独立系映画の現状を打破できない自分への嘆きを自分の体でもって知らしめようとしているんですよね?何もできない自分への怒り…殴られることで自ら罰を与え、立ち上がることで生きてると実感することで映画への愛が深まっていく…。それでも足りないと自らを挑発し、相手を挑発し、殴られ倒れ立ち上がり、顔はみるみるうちに変形血まみれになって、声にならない声を痛いくらいに発する秀二の声もこれまた痛い。映画は金儲けだけで作られるのではないけれど、映画を作るにはお金がいることも分かっているからこそ、自分を売ってお金を作る。けれど、決して映画に対する魂は売ってはいるワケではないと自分に言い聞かせ…。


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返済最終日、殴られるだけでは到底お金は増やすことはできないのだけど、秀二は決心する。ラスト100発、その100発を大好きな映画100本を考えようと…。自分が100発のパンチに耐えられるか自らを賭けの題材にして…。

この結末はぜひ観てない人に知って欲しくないので書かないけれど、終わりとしては納得がいったので良かったかな。大好きなことがどれだけの力を与えるか?まさかの結末と言えばそうなんだけどいかにも秀二らしくて私は好きだった。そして、「ほとんど殴られるだけの映画なのに」また観たい!と思えるこの感覚っていうのは久々に味わった感じだな。何とも言えない高揚感…まるで私自身も秀二を殴ってたみたいな感じにもなるし、陽子みたいに包みこんであげたい感じにもなる。秀二の声が突き刺さる…あのほとばしる声が耳に残って離れない。

映画を愛するって…命懸けなんだって。作ってる人も観る人も、そう思ってこれからはしっかりメッセージを受け止めて映画を観たいと思った、そんな作品でした。


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